C++と色々

主にC++やプログラムに関する記事を投稿します。

C++

C++の関数のオーバーロード解決について

C++

問題です。以下のコードで、(a)、(b)、(c)、どの関数が呼ばれるでしょうか。 #include <iostream> using std::cout; // (a) template <typename T> void f(T) { cout << "f(T)"; } // (b) template <> void f(int*) { cout << "f(int*)"; } // (c) template <typename T> void f(T*) { cout << </typename></typename></iostream>…

ジェネリックラムダ

C++

C++14で実装されるジェネリックラムダの引数の型autoは、テンプレート引数と同じ型推論が行われます。なので引数の右辺値参照が左辺値参照にもなります。 #include <iostream> #include <type_traits> #include <utility> int main() { auto lam = [](auto&& val) { using type = decltype(va</utility></type_traits></iostream>…

using宣言とusingディレクティブ

C++

using宣言は既に宣言済みの名前だけを現在のスコープに取り込みます。 #include <iostream> namespace A { void f(double) { std::cout << "f(double)" << std::endl; } } using A::f; namespace A { void f(int) { std::cout << "f(int)" << std::endl; } } int main(</iostream>…

ラムダ式で再帰関数

C++

先日の記事にて、C++にラムダ式の再帰関数が欲しいと書いたのですが、調べたらstackoverflowにラムダ式での再帰関数を実現しようとしているコードがありました。 #include <functional> #include <iostream> int main() { std::function<int (int)> fact; fact = [&fact](int n){ return n == </int></iostream></functional>…

C++に欲しい機能

C++

C#書いていて、これC++にも欲しいなぁ、と思ったり、普通にこういう機能欲しいと思ったものです。 ネストした名前空間 今のC++ではこう書かないといけません。 namespace hoge { namespace foo { ... } } をこう書けたら良いなぁ、と思いました。 namespace …

マルチメソッド4 対数時間編

C++

マルチメソッド3 力まかせ改良編の続きです。 basic_dispatcher flat_mapを使う RTTI(実行時型情報)と、type_index(typeinfoを比較できるようにラップした型)の2つがあることにより、全ての型に対して(もちろん動的な型も含みます)、順序関係を持つことが出…

find関数で見るC++の変化

C++

STLアルゴリズムはそのアルゴリズムを適用する範囲の先頭と末尾のイテレータのペアを引数に取ります。実際には範囲全体にアルゴリズムを適用させるケースが多く、イテレータのペアを書くのが冗長に感じることがあります。そこでBoost.Rangeには、範囲を引数…

歌舞伎座.tech#2に参加してきた

C++

補欠参加だったので、前日までに枠に入れてラッキーでした。 普段ブログやtwitterで一方的によく知っている人たちに生で会えるということも目的の一つに参加してきました。 C++11 : variadic template のご紹介 発表者 επιστημηさん 資料 http://www.slidesh…

Visual C++ 12.0で boost iterator concepts がコンパイルエラーになる

C++

以下のコードがVisual C++ 12.0でコンパイルエラーになります。Boostのバージョンは1.55です。 #include <boost/iterator/iterator_concepts.hpp> int main() { } 出力 http://melpon.org/wandbox/permlink/oJdAALJZbyRJgIiG iterator_concepts.hpp(43): error C2448: 'BOOST_concept' : 関数の定義</boost/iterator/iterator_concepts.hpp>…

C++14の言語機能の一部で少しサンプルを

C++

clang3.4で動きました。 #include <type_traits> #include <cassert> //通常の関数の戻り値の型推論 template <class T, class U> constexpr auto add(T t, U u) { return t + u; } //constexpr関数の制限緩和 constexpr int factorial(int n) { int sum = 1; for (int i = n; 0 < i; --i) { sum *= i</class></cassert></type_traits>…

to_index, to_iterator書いてみた

C++

N3450を見て、非メンバ関数版のto_index, to_iteratorなんとなく書いてみました。本当ならクラスのメンバ関数ですが、気にせずに…。 #include <iterator> #include <type_traits> template <class Container> auto to_index(const Container& container, typename Container::const_iterator it) -> d</class></type_traits></iterator>…

ぼくのかんがえたさいきょうのC++ライブラリ

C++

実現したい機能を決めます。 その機能を実装する際の実装の選択肢をポリシーとして抽出します。 共通のインターフェイスで扱えるようにポリシーのtraitsを作ります。 自作ポリシーに特殊化したtraitsを作ります。 完成

マルチメソッド3 力任せ改良編

C++

マルチメソッド2 力任せ編の続きです。Modern C++ Designに載っているマルチメソッドを自分なりの解釈を加えながら、LokiライブラリではなくBoostライブラリを用いて実装してみようという試みです。 前回書いたように今回はstatic_dispatcherの改良として、…

マルチメソッドまとめ

C++

Lokiのマルチメソッドライブラリの実装がどうなっているのか調べて理解しつつ、BoostやC++11で書きなおして使おうという目的。 専用のカテゴリを作ってもカテゴリが増えて煩雑になるので、関連する記事はそれらを纏めた記事を作ることで纏めようと思います。…

適切なキャストを呼び分けてくれる関数テンプレートをSFINAEを使って書いてみた

C++

前回の記事のSFINAE版

適切なキャストを呼び分けてくれる関数テンプレート書いてみた

C++

はてなブログのGistのソースコード貼り付けが公式で対応したのでそれの試用も兼ねて。 好奇心でこういった関数テンプレートを作れるんじゃないかと思って挑戦してみました。 C++でキャストの種類ごとに長い名前付いた理由を考えればこのような関数テンプレー…

C++で文字列を数値に変換する方法

C++

元ネタに載っている変換方法を使ったサンプルを書いてみた。*1 atoi #include <cstdlib> #include <iostream> #include <string> #include <typeinfo> int main() { const std::string str("123"); auto num = std::atoi(str.c_str()); std::cout << typeid(num).name() << " : " << num << std::e</typeinfo></string></iostream></cstdlib>…

マルチメソッド2 力任せ編

C++

マルチメソッド1 自作編の続きです。 ここからはModern C++Design に載っている方法を1つずつ試したいと思います。 その際、Boost.Mplを使用しています。生ポインタ使っています。スマートポインタを使うべきですが、本のサンプルをなるべくそのまま使いたい…

マルチメソッド1 自力編

C++

Modern C++ Designに載っている話です。マルチメソッドとは多重ディスパッチとも言い、関数を複数の引数の動的な型によって呼び分けることです。ゲームで、2つのオブジェクトによって最適な衝突判定関数を呼び分ける時などに使えます。*1 どうにかして擬似的…

式テンプレートっぽい何か

C++

boost::numeric::ublas::vectorのExpression Templatesってどうやって実装してるのか気になり、ヘッダを眺めて大事そうなとこだけ真似(劣化コピー)してみました。 式自体を定義しているヘッダです。 //ファンクタを適用する式 #ifndef NEK_MATH_VECTOR_EXPRE…

プリプロセッサを使ってmake_array書いてみた

C++

C++11の機能を使ったmake_arrayはこちらを参照して下さいmake_array 書いてみた - とくにあぶなくないRiSKのブログVisual C++ Nov 2012 CTPで可変長テンプレート引数対応とのことですが、不完全なうえ標準ライブラリが可変長テンプレート引数未対応なのでま…

ローカルクラス

C++では関数内にもクラスを定義することができます。このクラスはローカルクラスと呼ばれ、静的メンバを定義できない、ローカル変数にアクセス出来ない、関数の外からインスタンス化ができない、などの特徴があります。 ローカルクラスの使いどころを2つ紹介…

STLコンテナの要素の削除方法

シーケンスコンテナ(vector, string, deque)とlistと連想コンテナ(set, map, 以下略)、の3つに分けて整理します。 "c"は、その時のコンテナのインスタンスを表します。std::を省略しています。完全なコードではありません。 特定の値を削除したい時 ・シーケ…

型特性によるオーバーロード

型特性によるオーバーロードはいくつか方法がありますが、目的に合わせた方法をとるのが良いと思います。・何通りかの型特性でオーバーロードをしたい場合 ・ある型特性かどうかでオーバーロードしたい場合 ・ある型特性でしかオーバーロードしてほしくない…

コンストラクタを書いたつもりが関数宣言とみなされる

コンストラクタを書いたつもりが関数宣言とみなされる時があります。 これは俗に、「C++で最も奇妙な解析」と言われています。 以下の様な時です。 struct foo{}; struct hoge { //引数を1つ取るコンストラクタ hoge(foo f) : f_(f) { } void func(){} foo f…

decltype

C++

自分の理解が間違っているのか、MSVC Nov 2012 CTPが対応していないのか、が分からないのでブログに投げてみるテスト。 std::vector v; decltype(v)::value_type n; ってill formedですか? #include <vector> template <class T> struct type_holder { typedef T type; }; in</class></vector>…

範囲for文を自作クラスで使う

C++

範囲for文とは C++11に範囲for文がある。VisualStudioでは2012から使えるようになった。 これは、STLのコンテナや、組み込み配列をfor文で最初から最後までの要素を処理する時に、従来のfor文でいちいち「最初から、終わりまで」という範囲を書かなくて済む…

trivial class

trivial class wikipediaの定義によると、 trivial なクラス・構造体は、以下のように定義される。 コンパイラ定義のデフォルトコンストラクタを持つ。コンストラクタの default 指定の記法を用いてよい (SomeConstructor() = default;)。 コンパイラ定義の…

Decoratorパターンとパラメータ化継承

C++

処理の前後に処理を追加する、ってなんか2つ似てるなと思ったので書いてみて、うんやっぱ似てるってなった。 #include <iostream> #include <string> using namespace std; //デコレータパターン namespace dec { //インターフェイス class writer { public: virtual void wri</string></iostream>…

ADLが謎

C++

こちらのサイトを見て、テンプレート引数の型が宣言された名前空間もADLの範囲にはいるんだー、へー、と思った。 ADLはAgument Dependent Lookupの略で、実引数依存の名前検索と訳されている。要は、ある名前空間に所属している関数・演算子のオーバーロード…